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梟の城 紹介・感想

個人的評価: ★★☆ :忘れたころに観たい


『梟の城』は、1999年に公開された中井貴一主演の、アクション・時代劇です。
原作は、司馬遼太郎の直木賞受賞作である同名小説です。
1963年の「忍者秘帖 梟の城」というタイトルの映画のリメイク作品です。 

織田信長によって故郷を滅ぼされた伊賀忍者の生き残りが、豊臣秀吉の暗殺という密命に挑む姿を描いた時代活劇です。

  • 制作年 :1999年
  • 時間  :138 分
  • ジャンル:アクション / 時代劇

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あらすじ、 ストーリー、 解説

天正9年、織田信長による伊賀攻めにより、故郷を壊滅させられた伊賀忍者・葛籠重蔵。それから10年、彼は山中に隠棲し、復讐の機会を伺いながら孤独に暮らしていた。
ある日、かつての師匠から「豊臣秀吉を暗殺せよ」という密命が下る。天下人となった秀吉を討つことは、伊賀の誇りを取り戻すための大勝負であった。重蔵は再び修羅の道へと足を踏み入れる。
その行く手には、かつての仲間でありながら武士としての出世を選び、今は重蔵を追う身となった風間五平の影があった。さらに、重蔵を監視し翻弄する謎の女忍者・小萩との出会いが、彼の鉄の心に変化をもたらしていく。
巨大な権力が渦巻く大坂城を舞台に、時代の波に飲み込まれゆく忍者たちの意地と宿命が交錯する。重蔵は厳重な警護を潜り抜け、標的である秀吉の寝所に辿り着くことができるのか。己の存在意義をかけた、命懸けの潜入が始まる。

どんな方におすすめ?

お勧めできる方

  • 時代劇が好きな方
  • 忍者をテーマにした物語が好きな方

お勧めできない方

  • スピーディーな忍者アクションを期待する方
    エンタメ忍者映画のような、アクロバティックでテンポの速い格闘シーンはありません。
  • 時代劇が苦手な方
  • 暴力シーンが苦手な方

スタッフ / キャスト(登場人物)

スタッフ

  • 監督:篠田正浩
  • 脚本:篠田正浩 / 成瀬活雄
  • 音楽:湯浅譲二

主要キャスト

  • 中井貴一
    葛籠重蔵 役
  • 鶴田真由
    小萩 役
  • 葉月里緒菜
    木さる 役
  • 上川隆也
    風間五平 役
  • 永澤俊矢
    摩利支天洞玄 役
  • 根津甚八
    服部半蔵 役
  • 山本學
    下柘植次郎左衛門 役
  • 火野正平
    黒阿弥 役
  • 津村鷹志
    前田玄以 役
  • マコ・イワマツ
    豊臣秀吉 役
  • 筧利夫
    雲兵衛 役
  • 花柳錦之輔
    石田三成 役
  • 若松武史
    上野弥兵衛 役
  • 馬渕晴子
    老女・楠 役
  • 田中伸子
    淀君 役
  • 小沢昭一
    今井宗久 役
  • 中尾彬
    徳川家康 役
  • 中村敦夫
    ナレーター/葛籠太郎兵衛 役
  • 岩下志麻
    北政所 役

個人的な感想 評価

映画『梟の城』(1999年版)は、決してアクション主体の映画ではありません。そのため、スピーディーな立ち回りやアクション中心の作品を好む方には、好みが分かれる作品だと思います。

この映画の本質は、時代の移り変わりによって「忍者の存在意義」が失われていく様を描いた、切ない人間ドラマにあります。

物語の軸となるのは、秀吉暗殺の密命を受けた葛籠重蔵と、かつての仲間でありながら武士としての出世を選んだ風間五平の対峙と葛藤です。生き残った伊賀忍者たちが裕福な武士から金品を盗んで命をつなぐ中、五平は自身が出世するため、かつての仲間を冷酷に殺害していきます。当然、秀吉の命を狙う重蔵とも対立することになります。目的のためならかつての友をも手に掛ける五平の姿からは、執念を超えた恐ろしささえ伝わってきます。

物語の中盤、秀吉に世継ぎが誕生したことで情勢が変わり、暗殺の密命は一度撤回されます。しかし重蔵は、誰の指図でもなく、忍びとしての己の誇りと信念を懸けて、単身で大坂城の最深部へと忍び込みます。

ようやく辿り着いた寝所で重蔵が目にしたのは、天下人としての威厳を失い、ただ老いさらばえた秀吉の姿でした。重蔵はそこで「もはや殺す価値さえない」と悟ります。命を懸けて潜入し、刃を突きつけた先に見つけたのは、復讐の達成感ではなく、圧倒的な虚無感でした。重蔵はそのまま秀吉を斬ることなく、闇の中へと去っていきます。

一方で、必死に権力の階段を登ろうとした五平もまた、最後は仕えていた前田玄以に道具のように見捨てられ、残酷な結末を迎えます。

結局のところ、二人が命を懸けて駆け抜けた日々は、家康をはじめとする権力者たちの巨大な陰謀という盤の上で、踊らされていたに過ぎなかったのかもしれません。そんな歴史の非情さが浮き彫りになるラストでした。

忍者の時代の終焉、そして抗えない運命の中で葛藤する男たちの人間ドラマに興味がある方にはおすすめします。

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